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▼2005年旅のコラム
01.あこがれの!?
  ローマ
02.これぞイタリア?
03.ゴッホが眠る街
04.迷走!?
  ポイントワイズ
05.女神遅れて現わる!
06.私流!
  旅の楽しみ方
07.ジェスチャーこそ
  共通語!
08.ウイーン風!?
  あれこれ
09.リッチョーネで
  遭難!?
10.ホテルバルチックの
  怪!?
11.Buonissimo!
  「IL CASALE」
12.合い言葉は『0,』
13.イタリア
  大停電の日!
14.私がイルカに・・!?
15.ラッキーな勘違い!!
16.えっ!
  チケットが ない?
17.チケットの奇跡!
18.チケットは偽物か?
19.不可抗力な
  ハプニング!!
20.ミラノ空港
  全力疾走!!
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チケットは本物か偽物か!?
 クロアチア戦までは中5日あったので、パリに数日間滞在した。私達の泊まったホテルにはメキシコのサポーターも宿泊していたから、緑色のポンチョと大きなストローハット?をかぶりマラカスを陽気に振る不思議な集団に何度も遭遇した。
 パリの主要駅では奇声をあげたカナリア色のユニホーム軍団(もちろんブラジルサポーター)に目を奪われ、あちらこちらで自国のユニホームに身を包んだサポーター達に出会い、まさにワールドカップの開催国に来てるんだ〜と実感できる数日間だった!!
 第2戦が行なわれるナントの街に入ったのは、試合の前々日だった。といっても、ホテルはナントの街からバスで20〜30分程行った小さな街にあった。だから前日は下見を兼ねて電車でナントの街迄遠足気分で出かけたのだったが、ナントの駅に着いた途端、チケット騒動が予想以上にすごいことになっているのに驚いた。
 日本のユニホームを着て、フランス語や英語で『チケット買います!』と書いた段ボールを持つ人が大勢いたのだ。「クロアチア戦は見れます!」添乗員のこの言葉を本当に信用していいのだろうか?何日か前には私も同じ境遇だったから、その光景は人事ではなかった。
 お昼にその地方独特の料理、甘くないそば粉のクレープ(ガレット)とシードルをいただきながら、明日のクロアチア戦の話をしていた時、突然日本人のカップルから声をかけられた。「明日のチケットは持ってるんですか?」彼女のその悲し気な声から、すぐに察しはついた。でも私が思い描いた以上にふたりの状況は悲惨だった。
 もちろん1試合目のアルゼンチン戦は見られなかった。2戦目のチケットも手に入らず、宿泊先のフランス国境近くのスペインの小さな街から、もしかしたらチケットが手に入るかも、とバスに3時間揺られナントに来たのに、街はチケットを持たない日本人だらけ。「チケットあるよ!」と声をかけてきた変な外人には、ふたりで20万円だと言われ、怒りで声も出ない・・。「ホテルに戻るバスが1日に数本しかないので、もう帰らなくちゃいけないんです。ワールドカップが見たくてわざわざ新婚旅行をこの時期にしたのに・・。」
 「わ、私達もまだチケットが手に入るかどうかわからないのよね。」少しの慰めにもならないであろう言葉を口にした。「明日スタジアムで観戦出来なくてもまた来ます!」気丈に言い放った彼女の一言に救われた。
 ホテルに戻ると、待ちに待ったチケットが配られた。これで明日の試合は見られる!皆に笑顔がこぼれた。しかしその喜びは長くは続かなかった。部屋でまじまじとチケットを見ていたら、アルゼンチン戦のものとは明らかに違う点を発見してしまったのだ。ホノグラムはある。でも透かしがな〜い!確かにアルゼンチン戦のチケットには透かしがあった。それに紙質が劣る気もする。ザラザラでペラペラのような・・急に心臓がドキドキしてきた。もしかして『偽チケット?』
 慌てて添乗員に電話をした。やはり同じことを懸念する人からの問合せが集中していた。「透かしがあるチケットとないチケットがありますが、本物か偽物か我々もわかりません。もし入れなかったら入場口で待っていて下さい。」『おいおい、何万人という殺気立った?サポーターでごった返しているスタジアム前で、どうやってあなたを探すのよ!』
 もう当日になったら野となれ山となれだ!チケットが偽物だとしても、私達は何も悪いことなどしていない。透かしがあろうがなかろうが、紙質がガサガサペラペラだろうが、堂々としていれば偽物も本物に見えるかもしれない・・心の中でチケットが本物か偽者か、強気と弱気が交錯していた。
 開き直って長い列をゆっくり進み、あと数人目となった時、近くにいたふたり連れがチケットチェックで入場を拒否された。人の良さそうなお父さんと娘だった。また心臓がドキドキしてきた。そして・・・無表情な「入れ!」の仕草。透かしチェックはなかった。ホッ!
 中に入ってしまえばこっちのものだ。明日はフランスを後にしなければならない。私達は日本代表の為に必死で応援しよう!そして昨日のあのふたりの分まで!
 チケットをギュッと握りしめ、私達は緑の芝に覆われるスタジアム内へと向った。「がんばれ!日本!!」
(終)


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