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▼2006年旅のコラム
32.フィレンツェで
  ホームステイ-2
31.フィレンツェで
  ホームステイ-1
30.シチリア!
  アグリツーリズモ
29.陶器の街
  カルタジローネ
28.ロンドン初上陸!!
27.セリエAの迫力!!
26.初めての
  セリエA観戦!
25.スペイン料理の
  奥深さ!
24.心の贅沢
  パラド−ル!
23.憧れのレアル!!
22.中世の街並が
  息づく街
21.犬も人も
  暮らしやすい国
中田英寿のペルージャVSバティストゥータのフィオレンティーナ!
 セリエAのペルージャVSフィオレンティーナ戦の話しを続けよう。
 前にも話したが、ワールドカップのフランス大会でバティストゥータが日本から1点を入れた時、私はツールーズのスタジアムでその試合を観戦していた。悔しくて悔しくて、その時のバティのあの大きな顔がしばらくは頭から離れなかった。そのバティが今また目の前で中田と戦っている。プレースタイルが大好きなポルトガル代表のルイコスタもいる。やっぱりうまい!!感動と興奮で、ここがイタリアであることも、回りが皆イタリア人だということも忘れるほどだった。
 有名選手がいないペルージャと比べたら、フィオレンティーナの方が一枚も二枚も上手なのはわかっている。が、サッカーはやってみなければわからない!そう心の中でつぶやきながら、勝利を祈り続けた。
 そう、本当にサッカーはやってみないとわからないのだ!ペルージャが1点ビハインドでむかえた後半残り数分という時に、ペナルティーエリア内でフィオレンティーナの選手がファウル。ペルージャ側にまたとないペナルティキックのチャンスが巡ってきた。蹴るのはもちろん中田だ!
 その頃すでに“中田はPKを外さない!神話”みたいなものが出来つつあったのだが、人間に100%はあり得ない。ドキドキして見ていられない・・でも見のがしちゃいけない!自分がPKを蹴るわけでもないのに、頭の中が真っ白になった。
 中田がPKを蹴るためにボールを注意深く地面に置いた。とその時、そこから1m位しか離れていない所で、あのバティがゆっくりと靴ひもを結び出した。中田の視野にも絶対入っているに違いない!というより、あえて見せつけているのだ。『オレはここにいる、入れられるものなら入れてみろ!』と言わんばかりにゆっくりと時間をかけ靴ひもを結び、中田にプレッシャーをかける。
 『なんて憎たらしい!』と心の中で思っていたのは私だけではないだろう。実際に何と言っているかは?だったが、ペルージャのサポーターからかなりのブーイングがあった。
 プレッシャーからか中田が何度もボールを置き直した。数分だったのかもしれない、が時間がすごく長く感じられた。結局短いオフタイムも含め、時間的にはPKを蹴ったらすぐにタイムアップ(試合終了)の様相だった。スタジアム全体に緊張が走る。
 「やったー!」中田の蹴ったボールがフィオレンティーナのゴールに突き刺さった瞬間、ペルージャのサポーターは総立ちになり、それぞれに喜びの雄叫びをあげた。気がつくと一緒に観戦していたはずの連れは、隣にいたたくましくて大柄なイタリア人としっかりと抱き合っていた。
 今この瞬間ペルージャサポーターにとって中田は英雄であり、私は日本人であることを誇りに思った。
 2対2。試合に勝ったわけではないが、清々しくていい試合だった。中田にPKを決められ、バティがスタジアムを後にする時、選手が入場するためのアーケードを思いっきり叩くのを見た。よほど悔しかったのだろう。あの巨体から繰り出されたパンチだけあって、アーケードの一部が壊れて落ちるのが見えた。
 変な話だが、その試合から大嫌いだったバティストゥータが好きになった。あれだけ闘志をむき出しにする姿勢、相手の選手にプレッシャーを与えるあの威圧感。「オレはフィオレンティーナのバティストゥータだ!」と体全体でアピールする姿を見て、これこそが日本人選手に欠けているものだ!と強く感じたのだ。イタリア人ではないバティが、フィオレンティーナのサポーターに熱狂的に愛される理由がよくわかった。
 日本には素晴らしいMF(ミッドフィルダー)は何人もいるが、残念ながらこの選手がいれば大丈夫!と思えるFW(フォワード)の選手がいない。日本の場合FWも守備ができなければいけないから、バティのようなタイプの選手は当てはまらないのかもしれないが、そこにいるだけで相手にプレッシャーを与えることができる、存在感のある頼もしいFWがいたらどんなにいいだろう。ラッキーボーイと呼ばれるだけのFWではなく、真に頼れるFWが現われることを切に願う。(終)

追記:ずっと応援し続けてきた中田英寿選手が、先日引退を表明した。お疲れさま!今まで私達を楽しませてくれて、本当にありがとう!あなたがずっとサッカーを愛し続けるように、私もサポーターのひとりとして、これからもサッカーを愛し続けたいと思う。


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