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▼2007年旅のコラム
33.フィレンツェで
 ホームステイ-3
34.ロンドンの
 フリーマーケット-1
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 フリーマーケット-2
36.イタリア/
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  ホームステイ-1
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  ホームステイ-2
39.ネーラ
  ホームステイ-3
40.ドイツ-1
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43.ドイツ-4
  フランクフルト2
44.ワールドカップ
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イタリア・ナルニのネーラ村、6人家族にホームステイ!!
  前に書いたフィレンツェのホームステイ先に8日間滞在した後、私はウンブリア州の小さな田舎町、ナルニのネーラ村にトレノ(電車)で移動した。ローマからなら各駅停車に乗り換えて1時間ちょっと、フィレンツェからなら、やはり各駅に乗り換えて約2時間半だ。
  ネーラ駅からけっこう急な坂道を登って十数分ほどの、坂を登り切ったところに村のシンボルの教会があり、庭に花が咲き乱れるけっこう立派な家々が、あまり広くはない地域に数十軒立ち並んでいた。フィレンツェに比べればきっと田舎なんだろうな?とは思っていたが、見渡せば畑ばかりで、畑のすぐ先は深い森と山が広がっていた。そこには、日本でも遠い昔に見たことがあるような、なんとも懐かしい風景があった。
  翌朝からは毎日朝霧が立ち込め、獲物を追う犬の泣き声と鉄砲のバンバンという音で目覚めることになる、と言えばどれだけ田舎なのかわかるだろう!訪れたのは9月末から10月初旬だったから、ちょうど狩猟の季節が始まったばかり。それにこの辺りはチンギアーレ(猪)料理が有名な場所だから、これからがジビエ料理(狩猟による鳥獣肉を使った料理)の本番ともなれば、それも致し方のないことだろう。
  ナルニでお世話になる家族は、パパとマンマ、91歳になるノンノ(おじいちゃん)と娘と息子、それに週末になるとペルージャ大学から戻ってくるもうひとりの息子の6人家族。
  ナルニ近くの街アメリアのレストランで料理長をしているマンマから料理を教わりたいと、この家にホームステイをすることに決めたのだが、マンマのレストランはこの時期結婚式のパーティーの予約も多く、おいしい食材が豊富な時期だけにかなり忙しい。マンマが教えられない時は、友人のダニエラが変わりに料理を教えてくれることになった。
  パパはイタリア人らしい陽気さと他人を気遣う優しい面も持ち合わせた人で、マンマが仕事で遅い日は夕食の準備もするし、後片付けもする。夕食後のエスプレッソをいれるのはパパが当番のようで、必ず「カッフェ?」と皆に聞いてから、嬉しそうにエスプレッソを振る舞った。
  滞在中は、それを飲みながらパパと一緒に夕食後テレビを見るのがお約束になっていた。クイズ番組だったり、歌番組だったり、お笑い番組だったり・・、私が意味がわからない?という顔をしていると、わかるように言葉を変えて説明してくれるので、イタリア語を勉強するのにもとても良い環境だったと思う。
  でも何といっても一番驚いたのは、91歳のノンノの矍鑠(かくしゃく)とした姿だ。朝早くから常に体を動かしている。夕食はいつも一緒にいただいたが、まず初めにコンソメスープに小さなパスタを入れた料理を必ず食べてから、私達と同じ料理をいただく。家族が食べ過ぎないように少なめに皿に盛っているにもかかわらずお代わりをするので、結局私の2倍くらいは食べていただろう。家族から「もう食べるのを控えて!」と怒られる度に、私の方を見ては、救いを求めるように「参ったな。」という表情をした。
  そして毎日夜の10時になると、Buonanotte!(おやすみなさい)と言いながら片手を上げ、皆に挨拶をして部屋に向かう。規則正しい食事と睡眠、そして体を動かすことが、元気で長生きの秘けつなのだろう。
  ノンノに「写真を撮るね!」と言うと、椅子に座って足を組み、ほんの少し体を斜にしてポーズをとる。91歳になってもダンディーなその姿は、まさにイタリア男!だ。特にマンマと喧嘩をしている時に、マンマにはわからないように私の方を見て、ウインクしながら「参ったな。」というジェスチャーをする仕草は、とても愛くるしかった。
  6人家族ともなると、そのちょっぴり複雑な人間関係も垣間見れ、パパやマンマのちょっとした愚痴や態度から社会に対する不満も読み取れて、なかなか興味深いイタリア滞在となった。特にパパとは本当にいろんな話をしたが、「自分だけが金持ちのベルルスコーニ(前首相)は嫌いだ!」と言い放った後で、「正義感が強い小泉さん(元総理)はいいよね!」と言った言葉が忘れられない。(続)


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