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▼2007年旅のコラム
33.フィレンツェで
 ホームステイ-3
34.ロンドンの
 フリーマーケット-1
35.ロンドンの
 フリーマーケット-2
36.イタリア/
  修道院の宿
37.ネーラ
  ホームステイ-1
38.ネーラ
  ホームステイ-2
39.ネーラ
  ホームステイ-3
40.ドイツ-1
  フランクフルト
41.ドイツ-2
  ハイデルベルク
42.ドイツ-3
  ドルトムント
43.ドイツ-4
  フランクフルト2
44.ワールドカップ
  決勝戦

ナルニの街で出会った人々との、嬉しい一期一会の縁!!
  ネーラからトレノ(電車)で一番近いナルニの街は毎週金曜日に朝市が立つ、という情報をマンマから聞いた私は、その日朝早くからトレノでナルニに向かうことにした。
  前日時刻表を確認しにパパと車で駅まで訪れていたので、時間も調べたことだしこれでひと安心!と思ったものの、やっぱりここはイタリアだ。私以外乗客が人っ子一人いないホームでひとりトレノを待つ私は、なぜだか嫌〜な予感がしていた。
  時刻表に書かれていた番線で待ってはいたが、なんだか胸騒ぎがする。小さい駅なのに4番線迄あるから、隣のホームへの移動は一度階段を降りて地下通路を通らなくてはいけない。変更があればアナウンスがあるだろう、と注意はしていたが何も流れてはこなかった。
  イタリアのトレノは出発の番線が頻繁に変更になるので、スーツケースを持って右往左往するなんてのは当たり前のことだったから『少し神経質になり過ぎたかな?』と思ったその時、遠くからこっちに向かって走って来るトレノが目に入った。『あーやっぱりなんか不安だ!』
  運良く神の救いか突如お掃除のおばさんらしき人が改札近くのホームに現れた。私は中程のホームにいたから無我夢中で大声で叫んだ。「ナルニに行きたいんですけど、このホームでいいんですか?」おばさんが慌てて「違う、違う、○番線よ!」間一髪トレノが到着する寸前でホームを移動することが出来た。“イタリアのトレノを見たら、出発の番線は疑って掛れ!”私が体験して覚えた、イタリアを旅する時の大事な教訓のひとつである。
  駅前に小さなキオスクしかないネーラ駅より、はるかに大きなナルニ駅に着くと、マンマから教わった地図を頼りに朝市を探して街の中へと歩き出した。私の前にはさっき途中の駅で乗って来た、ピンクの服を着た6歳位の女の子と、その娘の手を引いたお母さんが歩いていた。
  朝市を探してキョロキョロと歩く私の前を必ずその親子連れがいた。きっとこのふたりも朝市に行くのだろう!女の子もずっと一緒に付いてくる私に気が付いて、時々後ろを振り返った。目が会う度に私はニコッと笑い返したが、母親は完全に私を無視していた。きっと変な東洋人に映っているのだろう。それも致し方のないことだ。
  そう言えば、昨日ナルニよりもっと大きな街テルニに行った時も、本屋に入ると「中国人ですか?」と聞かれ「日本人です。」と答えるとかなりびっくりされた。確かに日本人が観光目的で来るような街ではないからしょうがないのかもしれないが、どこにでも出没する中国人は恐るべし!
  こじんまりとしてはいたが、チーズに野菜に魚に肉、花に衣類に日用品と何でもある朝市をぶらぶらした後、2ユーロで大きな房のブドウとプルーン、それに小振りの桃を買った。ヨーロッパの果物はとにかく安くておいしいが、特にメルカート(市場)はより安くてとても新鮮だからなおさら嬉しい。
  BARでのんびりくつろいだ後、駅に入ろうとするとまたもやイタリアでよくあるアクシデント発生。切符を刻印する機械が壊れているのだ。初めてトレノに乗った時、刻印し忘れて罰金を取られた苦い思い出が蘇る。やけくそでいろんな機械を試したら、4つ目でやっと刻印できた。
  ホームに移動すると向い側のホームにあの親子が座っている。私とは逆方向に行くんだ〜と思いながら、思わず女の子に手を振った。女の子が恥ずかしそうにお母さんの顔を見てから、嬉しいかな手を振り返してくれた。そしてあれほど無視し続けていたお母さんまでもが・・。
  旅というのは、一期一会の何も言葉も交わさない出合いの中にも、小さな喜びがあるものだとなんだか嬉しくなった。
  そんな感動の後、またまたアクシデント発生。ネーラに戻るトレノがどれだかわからない!アナウンスと表示板で確認したはずなのになぜ?乗り遅れたら大変と聞きまくり、同じトレノに乗ろうとしていた黒人の女の子とボーッとしたイタリア男を発見したのはいいが、ふたりもどれがネーラ方面行きだかわからずオロオロしている。
  数分後、なんと2両編成のいかにもローカル線というトレノがホームに現れ、私達3人だけを乗せ走り出した。バラバラに座った私達をボーッとしたイタリア男は「皆で同じ席に座ろうよ!」と笑顔で誘った。変な連帯感を感じているのだろうか?ふたりとも悪い人には見えなかったので誘われるまま同じシートに座った。なんとも奇妙なたった15分の珍道中となった。
  日本語を覚えたいという彼のリクエストに答え、幾つかの言葉を教えたが、黒人の女の子サラはあっという間に覚えてしまったのに、彼はいつまでたっても覚えられず、結局紙に書いてあげた。その時の利発なサラの笑顔と、渡した紙を嬉しそうに見ていた、ボーッとした彼の笑顔が懐かしい。こんな奇妙な出会いも、旅ならではの楽しい一期一会の縁だろう。
  ステイ先のパパと車で回った、ウンブリア州の素敵な街のおもしろ話は次の機会にたっぷりと!(終)


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