Animomano アニーモマーノ

トップページ
2005年の
旅のコラムはこちら
2006年の
旅のコラムはこちら
2007年の
旅のコラムはこちら
2008年の
旅のコラムはこちら
2010年の
旅のコラムはこちら
2011年の
旅のコラムはこちら
2012年の
旅のコラムはこちら
2013年の
旅のコラムはこちら
2014年の
旅のコラムはこちら
2015年の
旅のコラムはこちら
2017年の
旅のコラムはこちら
2018年の
旅のコラムはこちら
▼2009年旅のコラム
52.ウンブリア州
  小さな旅-8
53.ウンブリア州
  小さな旅-9
54.トスカーナ州
  小さな旅-10
55.ロンヴァルディア州
  小さな旅-11
56.ロンヴァルディア州
  小さな旅-12
57.ロンヴァルディア州
  小さな旅-13

グッビオの風に揺れるFUNIVAから見た景色は「絶景かな、絶景かな!」
 6年前に初めてグッビオを車で訪れた際も、中世の雰囲気が残る美しい町だと感じたが、今回はトーディ行きのバスで出合った運転手さんの「ウンブリア州一押しの町!」ということもあり、また新たなグッビオの一面が見れたらいいな!そんな気持ちでこの町に足を運んだ。
 グッビオの町はウンブリア州といっても、マルケ州にほど近いインジーノ山の斜面にある。ペルージャからは、トーディ行きと同じパルテジャーニ広場からAPMバスで約70分。普段は中世の面影が残るしっとりとした町なのだが、伝統行事のひとつ「ろうそく競争」の時だけは、執政官宮殿前のシニョリーナ広場が人、人、人で埋め尽くされる。グッビオ1
 友人はその熱気と興奮した人々に気圧され結局広場に辿り着くことが出来ず、祭を見に行ったにも拘わらず、最終バスの時間までレストランでワインを飲んでいて酔っぱらってしまったそうだ。グッビオには静と動、2つの顔がある。
 今回私が友達から勧められたのは、FUNIVA(ロープウェー)でインジーノ山に登り、絶景を眺めることだった。FUNIVAと言う響きで私が勝手に想像したのは、昔モンテ・ビアンコ(フランスではモン・ブランと呼ばれる山)に登った時のような、4人乗りのがっちりした観覧車風の空中ケーブル。だから臆することなくFUNIVA乗り場に向かった。グッビオ2
 私が「ひとり分のチケットを下さい。」と言うと、チケット売り場の人がしつこく「ひとり?」と聞き返すのが気がかりと言えば気がかりだったのだが・・予感的中!
 急斜面から降りて来たのは『アレは何?鳥カゴ?檻?アレがロープウェー?』。なんと下半分だけを鉄格子で被っただけの、スケスケの丸い檻だった。それもふたり乗り。その檻に乗って近づいて来るカップルは、ぴったり体を寄せあっている。あれなら確かに怖くない!
 ここ数日は時々晴れ間も出るくらいにお天気が回復したものの、強風はいまだおさまっていない。普通に考えれば上に行くほど風は強くなるから・・かなり揺れるってこと?それもこの風通しのいいスケスケロープウェーでしょ!
 恐怖におののいたりパニックに陥った時、私はなぜかおしゃべりになるみたいだ。乗り降りの時にサポートしてくれる係員に向かって「危なくないの?風が強すぎやしない?ホントに戻って来れる?どこを掴んだらいいの!」彼は笑いながら一言「大丈夫」。グッビオ3
 見ているより乗った方が遥かにスピードは早く感じられた。それに傾斜も下から見ていたのよりずっと急だ。もう係員があんなに小さくなっている。乗ってしばらくは体が硬直し、上を見ても下を見ても怖くって、視線をどこに向ければいいのかもわからなかった。
 でもちょっとずつ慣れてくると、絶景を見る余裕が少しだけ出て来た。本当に美しい街並が眼下に広がっている。ただやはり強風にあおられる度に体が固まった。
 そろそろ終点だと思って上を見上げた時、私にカメラを向ける人がいる。前にも同じようなことがあったような?FUNIVAを降りホッとしている私にその人が駆け寄って来た。「見て見て!ほら、君が楽しそうに写ってる。」『楽しそう?』自分では顔がこわばっているとばかり思っていたのに。やっぱりカメラを向けられると笑ってしまうのは私の性か?グッビオ4
  彼と素敵な奥様はカナダ人だった。写真をメールで送るからアドレスを教えてくれと言う。私達はアドレス交換をして別れた。彼は大のカメラ好きらしく、山の頂上の「ろうそく競争」のゴールでもあるサントウンバルド教会で再会した時も、目を輝かせながら撮影していた。
 東京に戻ると約束通り、あの時の証拠写真がメールで送られて来ていた。あのFUNIVAにしがみつきながら、スマイルどころか大きく口をあけ楽しそうに笑う私が、バッチリ写っていた。
(グッビオ後編へ続)


Copyright (C) 2018 Animomano, All rights reserved.