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別れ際に3回頬にBaci(キス)すると、幸運が訪れる!
 よく晴れた気持ちのよい10月のある日、ベルガモ在住の友達に誘われ、おにぎりを持ってCLUSONE(クルゾネ)にハイキングに行った。まずベルガモから2両編成のトラム(電車)に乗りALUBINO(アルビーノ)まで行き、そこからバスで47分。クルゾネで下車した私達は、PONTENOSSA(ポンテノッサ)までのなだらかなハイキングコースをのんびりと歩いた。そびえる山々を眺めながら草原に放牧された羊にも出会った。ポンテノッサの辺りは、遊歩道沿いに川が流れていてとても美しい。地元の人しか来ないような自然の中で過ごすイタリア滞在こそ、ある意味一番贅沢な過ごし方かもしれない。
 その帰り道、ちょっとしたハプニングがあった。アルビーノからベルガモまで戻ろうとトラムを待っていた私達(日本人三人)とイタリア人のおばあさん、そしてイタリア人の若者二人を完全に無視して、運転手が降車扉から乗客だけ降ろすとすぐさまトラムを発車させてしまったのだ。私達がいるのがわかっていたはずなのになぜ?若者二人は線路を飛び越え、反対側の降車扉から必死に乗り込もうとしたが間に合わず、扉を叩きながら運転手に大声で罵声を浴びせた。
 私達は何が起こったのか理解出来ないまま、呆然とホームに立ち尽くした。また次のトラムが来る迄十数分待たなくてはいけない。同じく取り残されたイタリア人のおばあさんが私達に近づいて来て「あなた達イタリア語わかる?」私達が「Si(はい)」と言うと、すごい剣幕である言葉を連呼した。私は意味が理解できなかったが、運転手に対して凄く怒っていることだけは強く伝わってきた。
 ベルガモ在住の友達曰く、かなり汚い言葉を連呼したという。きっと私達に怒りを共有して欲しかったのだろう。おばあさんとの別れ際、私が右頬、左頬にBaci(キス)をして別れようとすると、「Bergamasco(ベルガマスコ=ベルガモ市民)は右、左、右、3回頬にBaciするのよ。そうすると幸運が訪れるの!」と言って笑った。さっきの怒りをぶちまけていた時とは違う、穏やかな表情だった。感情をあまり表に出さない日本人とは違い自分の感情を素直に表すイタリア人が、なんだか羨ましく思えた。


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