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▼2011年旅のコラム
62.小さな出会い-1
  ミラノ駅
63.小さな出会い-2
  トレノ(電車)
64.小さな出会い-3
  トレノ(電車)

一期一会の"出会い"に癒されて、また旅に出る。
 私の旅の醍醐味の一つは“人との出会い”だ。
 ここ数年ひとり旅をする機会が多い私にとって、たとえ一期一会であってもそのささやかな出会いによってもたらされる癒しや喜びが、また旅に出よう!と思う大きな原動力になっている。
 イタリアのロンバルディア州のベルガモ滞在中に、ボローニャへの日帰り旅行をした時だった。ベルガモバッサからアルタ私が乗ったボローニャからの帰りの電車が、ミラノ中央駅に少し遅れて到着した。私は駅の中央にある大きなタイム・テーブルで、ベルガモ行きに乗り換えるため電車の番線を確認しようとした。だが事前に調べた出発時間の電車がない。電車は遅れるのが当たり前のイタリアで、まさか一足先に出発してしまったのか? 時計は夜の8時半を回っている。あきらめて次のベルガモ行きの電車を探すと、なんと10時半過ぎ。2時間も待たなくてはいけない。ウソでしょ?私はがっくりと肩を落とした。
 ミラノからベルガモ迄は約1時間弱。ベルガモは治安の良い街だが、それでも深夜の駅前は他の街同様に危ない雰囲気が漂う。旅行中は“危うきに近寄らず”を肝に銘じている私としては、「早くベルガモに帰りたい!」と少しパニクっていた。
大きなタイム・テーブルには終点しか載っていない。もしかするとベルガモより先に行く電車でベルガモに停車するものがあるかもしれない。私は駅のボードに貼ってある、小さな文字で停車駅が詳しく印刷された大きな時刻表に駆け寄り、少しでも早くベルガモに着く電車はないかと目を凝らした。
 知らない地名がイタリア語でビッシリ書かれた時刻表を前に困惑する私の隣で、若い女性が同じ時刻表を見ていた。私は思わず「早くベルガモに帰りたいんです」優しそうな彼女に助けを求めた。気が付けば私を取り囲み、3人のイタリア人がベルガモ行きの電車を探していた。山高帽を被った黒いコート姿の紳士が「あなた方はこっちを見て。僕はこっちを見るから」と言って、大きな時刻表の上と下を手分けして探している姿に感動しつつ、『見知らぬ外国人にここ迄してくれるなんて!』と嬉しさが込み上げてきた。
 おかげでベルガモに早く辿り着ける電車も見つかり、私は皆に心から感謝を言ってその場を立ち去った。もう顔すら覚えてはいないが、あの時の彼女達の優しさを忘れる事はないだろう。

ベルガモの夜景


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