ひとり歩きも悪くない
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 1.たからもの

 2.恐るべき!
  怒りのエネルギー

 3.私に乾杯!

 4.怖いものはない!

 5.星に気合いを!

 6.焼肉の呪縛

 7.結婚までのカウント
  ダウン

 8.最後のメッセージ

 9.母か女か・・

 10.派遣だから出来たこと

 11.孤独なクリスマスに
   さようなら

 12.母との距離

 

 

 

 


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様々な理由からひとりで頑張って生きている女性達の、心のつぶやきと体験を
ショート・ショ-トのストーリーにしました。
これは実際のエピソードをもとにした、フィクションです。

ひとりで頑張ってる女(ひと)に読んでもらいたい!



怖いものはない!

 42歳独身。早く結婚しなくっちゃと焦っていたのは、36位までだっただろうか?40歳に手が届く頃には両親は何も言わなくなり、それはそれで見捨てられたようで淋しかったが、今はもう結婚のふた文字はどこかに置いてきてしまった。
 今はポイント2倍の特売日に合わせて買い物をすることに喜びを感じ、買い物の合計金額のお尻三桁が777だったりすると無性に嬉しかったりする。
 これがいわゆる『おばさん化現象』だろうか?と思ったりもするのだが、そういう自覚症状がある間はまだまだ大丈夫!と自分に言い聞かせ、それなりに楽しい日々を送っている。

 私が30歳の時デパートの地下で買い物をしていると、
「奥さん!今日は国産牛肉が安いよ。ステーキ2枚で1000円。買ってきなよ。旦那も喜ぶよ。」
と声をかけられた。まだ独身なのに奥さんと言われた日、ハッとして久しぶりにお風呂上がりにパックをした。
 そしてその5年後、
「新サンマ5尾で550円。安いよー。お母さん!今晩のおかずにどう?脂ものってるよ。」
まさか私に言っているとは思わず通り過ぎようとした時、
「ねえ、そこのお母さんどう?」
もう一度声をかけられ、私に向かって言ったのだと気が付いた。私のどこにお母さんオーラがでていたんだろう?ムッとする思いを隠し、そそくさとその場を離れた。
 その週の終わり、私はフィットネスクラブに入会した。

 そして今42歳。もう何も怖いものはない。
 仕事も順調、日々のささやかなことの中に幸せを見いだし、たまに自分で稼いだお金でブランド品を買い、気晴らしに友達と海外旅行に出かける。ふとひとりで淋しいなぁと思うことも時にはあるが、いつしか自分は自分、と思えるようになった。
 そして今日、
「おねえさん!静岡産のうなぎ安いよ。精が付くよ。」
もう若くないのに、おねえさんと言われた。
 もう怖いものは何もない。

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