ひとり歩きも悪くない
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 1.たからもの

 2.恐るべき!
  怒りのエネルギー

 3.私に乾杯!

 4.怖いものはない!

 5.星に気合いを!

 6.焼肉の呪縛

 7.結婚までのカウント
  ダウン

 8.最後のメッセージ

 9.母か女か・・

 10.派遣だから出来たこと

 11.孤独なクリスマスに
   さようなら

 12.母との距離

 

 

 

 

 


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様々な理由からひとりで頑張って生きている女性達の、心のつぶやきと体験を
ショート・ショ-トのストーリーにしました。
これは実際のエピソードをもとにした、フィクションです。

ひとりで頑張ってる女(ひと)に読んでもらいたい!



派遣だから出来たこと

子供の頃から親の口癖は、「いい大学に入って、いい会社に入りなさい」だった。とりあえず親が納得する大学には進学したものの、就職活動を始めた頃にもろ就職氷河期だった私に、正社員の仕事は見つからなかった。
 結局"いい会社"には入れず、事あるごとに「せっかく大学を出してやったのに、正社員にもなれないなんて」となじられた。外面ばかり気にする親の考える"いい"とは、世間体のことだとやっと気付いた。

 そして現在36歳。未だ独身で派遣社員のままだ。仕事にやりがいもないし、心のどこかで『結婚して専業主婦にでもなろうかな』と、人生から逃げ腰になりつつあった私に、ある日突然転機が訪れた。
 女友達に誘われ、たまたま見に行った小劇場の舞台で、中学時代の同窓生と二十数年振りに再会したのだ。パンフレットにある写真と名前に目を凝らす。やっぱり彼女だ。
 あの頃の彼女は、小柄で地味でクラスでも目立たない存在だった。顔だって私の方がずっとかわいかった・・。でも目の前で演じている彼女は、あの頃とは全く違う輝きを放っていた。悔しいけど彼女が眩しかった。
 舞台の彼女を目で追いながら、ふとあの頃の自分の夢を思い出した。『通訳の仕事をしながら、いろんな国に行ってみたい!』英語が好きだった私の夢・・。
 次の日、通訳になるための資料本を買いあさった。そして溜め込んでいたエネルギーを一気に放出するかのように、一から英語の勉強を始めた。会社から期待されることもなく、時間的に融通が利く派遣社員だったからこそ、続けられた。

 そして現在37歳と7ヶ月。未だ独身で派遣社員のままだ。そして三ヶ月後、会社の契約期限が終わる。準備は整った。後はちょっとの勇気さえあればいい。親にとっての"いい"ではなく、自分が信じる"いい"を目指して、これからの人生Tryあるのみだ。

 


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